【Meta広告】獲得広告での横展開、どれくらい作ってる?

こんにちは。
株式会社ADZONEの植田です。

 

先日、スタッフと運用手法について良い意味でぶつかったことから、今一度「最も効率的な運用手法ってなんだろう?」ということを考えました。

 

「良い意味でぶつかった」というのはお互いがお互いの理屈を持っていて、恐らくはお互い間違っていないから。

 

 

運用者によってやり方ってかなり違くて、「これが正解」がありません。

 

 

けれど極力体系的に、再現性あるような運用手法をADZONEでは作りあげていき、各運用者の性格に合ったやり方で成果を出していくのが良いと思っています。

【大前提】やってみなければ分からない。

 

大前提として、「この運用手法が当たるか」や「このクリエイティブが当たるか」はやってみなければ分かりません。

この考えを持つことは広告運用において物凄く大事なことだと思っています。

 

 

永く広告運用をやっていると、「これはダメだろうな」というクリエイティブはある程度予想できるようになりますよね。

これはすごく良いスキルではあるのですが、自分を過信しない考えは常に持っておくべきです。

 

 

過信をしてしまうと、予想が外れた際に迷走してしまうから。

 

 

「これはダメか、じゃぁ次これはどうだろう」

というライトな気持ちで、淡々とテストを実施していき、データを溜めていくことを推奨します。

 

 

広告運用のキモは「いかに自我を捨てて、データと向き合えるか」が勝負なような気がします。

横展開ってどれくらいやる??

 

今回スタッフと意見がぶつかったところを要約すると「1度ヒットしたクリエイティブの横展開をどのような考えで実施していくか」です。

 

 

例えばこんな事例です。

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【事例】
獲得案件で、ヒットクリエイティブが出た。
2週間ヒットし続けたが摩耗し始め、CPAが悪化。
キャンペーン設定やターゲティングを変えてもダメ。
新規のクリエイティブやヒットの横展開クリエイティブを投入しているが、CPAが改善しない。
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この状況だと貴方はどうしますか??

 

私の考えは、横展開をたくさんやる派。

 

理由は1度ヒットしたからにはヒットする要素が含まれているのだから、それは擦りまくるべきだろうと。

既存とは異なる新規クリエイティブも一定数必要だが、横展開を軸に展開をしていくべきだという考え方だ。

 

一方でスタッフの考えは、あまり意味がない派。

 

理由はこれまでの経験上、横展開クリエイティブが初期ヒットクリエイティブに勝てたことははな非常に少ないから、だった。

 

 

確かにスタッフが言っていることも理解できる。

 

 

例えばAというクリエイティブがヒットしたとして、その後、Aを軸にした横展開を大量に作成したとしても、「結局

Aには勝てなかった」ということは何度も経験をしている。

それらで苦戦している中、新規で入れたクリエイティブが跳ねてネクストヒットに育つと、Aの横展開は無駄な仕事になってしまう。

 

 

そしてその数が多い場合、スタッフのような考え方になっても当然だろう。

自分の考えが古いと感じた理由

 

この議論をスタッフとしていた際、正直私は「どう言ったら納得してもらえるかなー」ということを模索していたが、話している内に「自分の運用手法が古いのかも?」と感じた。

 

その理由は入稿仕様が変化しているという事実が関係している。

 

MetaではASC(Advanced Shopping Campgin)やAdvantage+ のターゲティングが始まった以降、自動化の流れが強くなった。

特に昨今入稿仕様が変化し、「元のターゲティング」というのは非常に選びにくくなっており、Metaが全力で非推奨であることが伺える。

 

このようにMeta側がどんどん自動化へと誘導をしており、「この手法がスタンダードである」とアピールしているようにも見える。

つまり今後自動化メニューをうまく使っていかないと成果が上げにくくなることを示唆しているのではないだろうか。

 

私の運用手法は、クリエイティブの要素分解をし、「当たる要素」を模索していくことが基本となるが、自動化だとそのような『分析』が非常にしにくい。

 

つまりは私の運用手法は今後のMetaのスタンダードからは外れている可能性があるということだ。

しかし分析は大事。

 

そうは言っても「分析が不要」とは全く思わない。

 

上記の通り、広告配信の自動化がスタンダードになった今、広告成果を左右する変数のほとんどは「クリエイティブ」になった。

 

AIに運用者の仕事は奪われているとも言えるが、良いクリエイティブを作成するか否かがCPAを決定付けることは間違いないだろう。

 

そのクリエイティブを作成する際、「なんとなく」は絶対NGなのは間違いない。

 

そして息長くヒットクリエイティブを出し続けるためには仮説と検証を積み重ねてナレッジとして蓄積をしていく必要があることも間違いないだろう。

意見の相違点の正体

 

私なりに今回何故意見の相違が出たのかを考えた。

 

それはきっと成功体験の違いだろうと結論づけた。

 

私が駆け出しの頃、『クリエイティブはほんの小さな軽微な違いでもCPAには大きな差が生まれる』というのが当たり前だった。

 

例えば文字の位置をちょっとズラすだけ、文字の色を変えるだけ、表現をちょっと変えるだけ。これらのほんのちょっとの差でCPAが2倍3倍異なる経験を多くしてきた。

 

一方でスタッフはそれらの実感があまりなく、「軽微な変更でCPAの差は出ない」と思っているのではないだろうか。

 

Metaのアルゴリズムが大きく変わっていることを考えると、直近に成果を出しているスタッフの言い分の方が正しいはずだ。

 

この仮説(直近のMetaでは軽微なクリエイティブの違いはCPAの差として出にくい)が正しいものとして考えると、現在の運用手法としての正解の1つは下記になるのではないだろうか。

【結論】最適な運用とは?!

 

今回考えた最適な運用は『大雑把な仮説と検証をする』である。

 

古い手法では下記の内容を分析対象としていた。

  • 訴求内容
  • 文字などの配置
  • フォント(大きさや色など)
  • 背景の画像

例えば「訴求内容やフォント、背景の画像はFIXして、文字の配置を少し変えたものを3パターン作ろう」という具合に細かい変化を入れて細分化していた。

それらの軽微な違いは進化したAI最適化によってカバーできていると考えると、無視できるのかもしれない。

 

無視した場合、つまり新しい手法で必要な分析は下記になる。

  • 訴求内容
  • クリエイティブの見え方
  • 目立たせる箇所

「この訴求内容が良さそう」という答えが出た場合、「文字のサイズを変えよう」などと軽微な変化をするのではなく、もっと大きなところを変化させていくのだ。

 

例えば下記のような変化をさせたクリエイティブを作っていく。

  • 訴求のキャッチフレーズを変えてみよう
  • 目線誘導を変えてみよう
  • デザインテイストを変えて見え方を変えよう

このように大雑把な部分で仮説を立てて、ざっくりと検証を進めていく方法である。

 

その際大切なのは『検証の目的を持つこと』だ。

 

これがなくては「なんとなく変えてみた」の域を出ない。

 

だからある種、クリエイティブ制作は難しくなったとも言える。

これまでは要素ごとに検証していればよかったのだが、もっと大きな「見え方」を変えていくのだから1つのクリエイティブにかける時間は増えるだろう。

 

そう考えるときっとどこかのタイミングで横展開を大量に作るタイミングも出てくるのではないだろうか。

なので冒頭に書いた「やってみなければ分からない」という精神で今後も色々な運用手法を試していこうと思う。

 

 

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