
こんにちは。
株式会社ADZONEの植田と申します。
ここでは私共ADZONEが日々の広告運用や、新卒採用について肌で感じたことをまとめております。
さて、本題ですが、広告配信において、2023年頃からCookieの規制が厳しくなった。
このこと自体はある種当然の流れであり、ユーザーからするとポジティブな情報になっていると考えているものの、広告成果を追う代理店にとってはなかなかの打撃になっているのではないでしょうか。
特に未成年への配信については規制が厳しく、Metaではターゲティングとしての選択肢が非常に狭まった印象です。
例えば下記のような内容が未成年に対しては制限されています。
- リタゲ配信
- 興味関心のターゲティング
- 特定の配置による配信
- 性別を限定した配信
- 言語を限定した配信
正直、リタゲについては数年前から「効果が良い」とは言えなかったし、興味関心も効果改善のための一手にはなりにくかった。
そのため、年齢関係なくBroad配信がメインとなっていたのですが、未成年へのBroad配信の成果がここ数ヶ月、異常なほどに悪くなってしまった。
CPA悪化のタイミングは?
ログをとっていたわけではないので、定かではありませんが、Meta広告管理画面の仕様が変わったタイミングがトリガーになっているのではないかと推察しています。
新規クリエイティブを入稿する際、恐らく多くの運用者は「広告セットの複製」を行ってから新しいクリエイティブを入れているのではないでしょうか。
そのタイミングで以前であればそのままスムーズに複製をすることができていたのですが、下のようなアラートが出てき始めたタイミングがあるはずです。

いかにも推奨していなさそうな色付けで「元の設定を複製」というボタンがあり、これを選ぶ必要がある。
当然「推奨事項を〜」のボタンから進んだ後でも「元の設定」には戻すことはできますが、ここでも”推奨していない感”はすごく出ている。
この仕様に変わって以降、弊社にて運用をさせて頂いているアカウント(未成年限定の配信)ではCPAが著しく悪くなった。
数値で言うと、CPAは2〜3倍に高騰してしまっていた。
この現象になって以降、弊社では「シンプルにクリエイティブが悪いのではないか」と考え、多くのクリエイティブを投入し、過去にヒットしたクリエイティブも数多く使用するも一向に改善しないという状態に陥った。
このクライアント様は本来未成年のみがターゲットなのだが、18歳以上のユーザーにも配信をさせて頂いた。
その結果、高校生限定の商材であるにも関わらず、CPAが元通りになったのです。
年齢層を見てみると、未成年への配信はほぼされておらず、18-24歳と45-54歳の割合が大きく、CVもこれらの年齢層から獲得されておりました。
短期的にみれば未成年以外のCVも意味があるものですが、中長期でみるとやはり戦略からはズレるため、クライアント様と協議をしている最中である。
今後の未成年配信はどうすれば良い?
Metaで未成年のCVをどのように取っていくか、についてはクリエイティブサイドから大量に対策を打っているものの、私たちもクリティカルな打ち手は見つけられていない。
しかしながら他媒体はまだ未成年配信でもCPAが安く取れている例がある。
そこでこのクライアント様にて、LINEとTikTokをトライさせていただいた。
かつてのMeta配信に比べるとCPAはやや高いものの、1.1倍程度の高騰に収めることができた。
どのようなクリエイティブが良かったのか、についてはまた別の機会に書きますが、1ヶ月ほどテストをし続けてようやく法則のようなものを見つけることができたので、そのクライアント様は今後、おそらくLINEとTikTokがメインになっていくものだと想定をしています。
また、同じような状況になっている別アカウントも非常に多く存在している。
未成年限定の配信の場合、軒並みCPAが悪くなっていると言えるため、これは例外がないのではないか、と考えています。
今後の予想
この状態は私たち運用者としては非常に困ることなのだが、Meta社は改善してくれるのだろうか。
私の個人的な予想では改善されない。
アルゴリズム変更によるバグや、変更に伴う成果減衰であれば改善をしてくれる可能性もあるが、今回はCookieの規制が根本原因だろう。
そうなると世界の流れが変わらない限り緩和はされない。
そして今はまだ配信がうまくいっているLINEやTikTokにも同じ現象が起き始めるかもしれない。
イチ運用者としては胃が痛い話だが、今後も未成年配信については追っていこうと思っております。